わたしは　時代（ときよ）
おっと　あなた　一体どこに行ってたの？
やっと会えたわね！

え？　わたしと会ったこと　あるかって？
あるに決まってるでしょ
あなた　わたしと一緒に　ずっとずっと
長いあいだ　旅をしていたのよ
覚えてないの？　
そりゃそうよね　ずいぶん昔のことだもの

あれは　相当まえよ
今から３０億年前のことよ
え　そんな前に人間　生きていないでしょって？
え？　誰が人間だっていったの？
あなたは　石だったときの記憶を
もう忘れているのね

あなたは　人間だけではなくて
石や木や動物　そして雲や龍にだってなったのよ
何度も　何度も　生まれ変わって
あなたは　ここに存在しているの
そして　あなた
わたしのこと　見つけてくれたのね
知ってたよ　わたしとまたここで
会えるってこと

あなたと　わたしは
仲のいい　姉妹のような関係を
ずっとずっと　何度生まれ変わっても
築こうって　約束していたの
だから　あなたは　わたしの妹なのよ
え？　あなたは男性なの？
そしたら　弟ね
どっちでもわたしは　かまわないの

だってね　男女の区別なんて
石にはまったくないし
人間だって　ほんとは
最初は　区別なかったのよ
人間というか　神っていうか
そういう区別が　なかったころ
あなたは　神っていう存在だったみたいだね
でもね　神っていったい　なんなのかしら

あなたは知ってる？
神も　人間も　石も　龍も　花や動物も
みんなみんな　おんなじ
ただの宇宙の塵や　屑だってこと

そう思ったら　なんだか
クスって　笑っちゃわない？
な～んだ　神も屑か～ってね
あ　ちり紙っていうでしょ？
塵神ってことよね
罰当たりって？

そう思う必要はまったくないわ
いずれわかるわ
あなた自身が　神であり
そこのちり紙も　神だってことに
いずれ　みんなみんな
わかるときが　必ず来るわ