わたしは霙（みぞれ）
君に出会った時の衝撃を
今でもわたしは　覚えてる

ずっとずっと　閉じ込めていた感情が
君と出会った瞬間から
どんどん　どんどん
まるでみぞれのように
流れてきて　わたしの　胸を
えぐっていくの

胸を　思い切り　えぐられて
苦しくて苦しくて苦しくて
一瞬死ぬかと思った時もあったわ

でもね、そのあと
わたしのなかに
水があったのかと思うくらい
わたしの中から
水という水が　出ていったの

とめどなく　あふれる
汚い水だった　汚い水だと
思っていた　思い込んでいた
わたしの中にあるものは
醜くて　汚いと
ずっと思い込んでいた

でもね　出てきた水を
わたしは　狂おしいほど
愛しいと感じるようになったわ
最初は本当に出てきたものを
見たくない　感じたくない
大嫌いと　思っていたわ

でもね　途中から
わたしの中で　なにかが　言ったの

ああ
あなたは　なんて　汚いのかしら
あなたは　なんて　醜いのかしら
あなたは　なんて　かわいいのかしら
あなたは　なんて　いとおしいのかしら

そこから　わたしは
わたしを形成する
すべてのわたしを　心の底から
愛おしいと　感じたわ

君のおかげで　わたしは　ようやく
すべてのわたしを
受け入れることができたのよ

そしてね　君がとても
自分のことを嫌いと感じるところも
含めて　わたしは君を
形成する　すべてを
愛おしく感じているよ

そりゃあもちろん
君の嫌だなあと　思う部分もあるんだけど
それでも　君のことが　愛おしい
この不思議な氣持ちが
君に伝わると　いいんだけれど

君がわたしを見つけてくれた。